諸刃の剣
ちょっと話題になっているので、すでに知っている方も多いとは思いますが、
まずは、下の文章をご覧ください。
こんちには みさなん おんげき ですか? わしたは げんき です。
この ぶんょしう は いりぎす の ケブンッリジ だがいく の けゅきんう の けっか
にんんげは たごんを にしんき する ときに
その さしいょ と さいご の もさじえ あいてっれば じばんゅん は めくちちゃゃ でも
ちんゃと よめる という けゅきんう に もづいとて わざと もじの じんばゅん を いかれえて あまりす。
どでうす? ちんゃと よゃちめう でしょ?
認識できました?
この文章、文字だけを追っていけば、ほとんどの単語が意味を持たない状態だとわかると思います。
実は、読める方が間違いという文章なのですが、わかっちゃいますよね。
なぜ読めるかは、上の文章内に触れられている通り。脳が持ってる認識力の高さによるモノです。
2ちゃんねるから端を発し、ここ1縲・週間で話題となったこの話。現在は自動で「文字の入れ替え」をしてくれるジェネレーターがネット上にあふれ、さまざまな「入れ替え文章」がブログ等で公開されています。
この反応を見ると、脳の優れた「認識力」に多くの人が驚嘆し、面白いと思ったことがわかります。
でも文章を扱う立場からすると、この「認識力」は怖ろしくやっかいな存在です。
文字校正漏れが起こる主原因のひとつですから。
こういう力が自分にあることをふまえて、その部分を抑えて一字ずつ拾っていかなくてはいけません。
読む時に発揮されるこの認識力から離れて文章をチェックできる「音読」が、効果的な校正の方法となっている理由がわかりますね。
備わっている力を上手に使って、ミスのない仕事をしていかなくては。
人間はミスをするものといいます。文章を作る時でも悲しいかなミスは起こります。
でも、ミスした文章を意識しなくてもフォローする力も、人間に備わっているわけです。よくできてますね。
ただ、それがさらにミスを誘発してしまうというのは、少々皮肉な話でもありますが。