象の背中に揺られて
昨年末のバリ島に続き、アジアの遺跡めぐりにカンボジアに行ってきました。
若い世代の皆さんはあまりご存知ないかもしれませんが、私たちが若かりし頃のカンボジアは、激しい内戦で多くの一般人が虐殺されるような正に地獄のようなイメージで、とても将来自分が訪れることになる場所とは思えませんでした。
バリ旅行以来、すっかりヒンドゥー教文化や遺跡にはまってしまい、今回は有名なアンコールワットをメインに、巨大な顔面彫刻で有名なバイヨン寺院や映画・トゥームレイダーの撮影地となったタ・プローム寺院(ともにアンコール・トム)、そしてジャングルの中の忘れ去られた遺跡ベンメリアなど遺跡だけでおなか一杯の旅でしたが、私は大満足でした。
9月は雨期なのでほぼ毎日1度はスコールが来ましたが、夕方から朝方にかけて降る場合が多いので観光に支障はないです。かえって堀や池の水が増えて水面に映りこむ寺院や壁面の苔が美しい季節です。
今回お世話になったのは現地のツアー会社さん、とても親切で丁寧な対応をしていただきました。
●スケッチトラベル(クロマツアーズ)
http://cambodia.sketch-travel.com/index.php
これから急速に発展するであろうカンボジア。ぜひ一度その目で見てきてください。
絶対のオススメです。
写真の解説
●象の背中に揺られて
バイヨン寺院の周りをぐるっと象に乗って回りました。料金は15ドル/人です。最初は揺れに体が振り回されますが、5分も経てばそれにも慣れて高い視線が快適です。欧米の旅行者の方々からいっぱい写真を撮られました。
●水面に映るバイヨン寺院全景
象の上から撮影しました。御者の方は慣れていらっしゃいますので、撮影ポイントにくると象を止めてくれます。でも時々犬とか中国人観光客を追っかけて面白かったです。
●バイヨン寺院の南門
寺院の周りにはお濠が掘られ、門までは橋がかかっています。橋の端は7つの頭を持つ蛇神・ナーガの像で始まり、その長い体が欄干となりその上に数十体の像が載っています。
頭部はほとんどなくなっており、多くはレプリカで復元されています。
●バイヨン寺院壁面レリーフ
寺院を囲むそれぞれの壁一面に様々なレリーフが施されています。ベースはすべて砂岩ですので風化が進んでいます。左側が地元のクメール人で福耳ですが、右の人たちはヘアスタイルも耳の形も異なっています。彼らは中国人です。
●バイヨンの巨大顔面像
バイヨン寺院は11世紀に建てられた大乗仏教の寺院です。日本人にはなじみ深い表情だと思いませんか。奈良の大仏様やお寺の阿弥陀様とよく似ています。しかし、表情はすべて微妙に違っていて、一番奥のは「京唄子」に似ているといわれているそうですが、私には「三輪明宏」に見えました。
●象のテラス
王が兵を謁見したテラスには象をモチーフにした彫刻が数十メートルに渡って並んでいました。
●タ・プローム寺院
アンジェリーナ・ジョリー主演の映画「トゥームレイダー」で少女の幻影となったチョウを追うシーンの撮影地です。巨大な樹木の根が寺院に絡みつき、時には壁や回廊を突き破って不思議な光景を見せています。
●蛇神・ナーガ
アンコール・ワット寺院は12世紀頃に建てられたヒンドゥー教の寺院です。その入口の濠にかかる橋の欄干が7つの頭を持つ蛇神・ナーガです。ここから門まで約200mです。
●水面に映る5本の塔
アンコールワットの門をくぐり参道に出ると目前には3本の塔がそびえる寺院が目に入りますが、塔は実際には5本あって場所を変えるとすべて同時に見られます。雨期で水量が増した池に浮かぶアンコールワットのベストポイントです。このあと中国人観光客の団体に席巻されていました。
●ラーマーヤナの壁面レリーフ
アンコール・ワットはヒンドゥー教の寺院ですが、その中でも3大神のひとりヴィシュヌ神(世界平和を維持する神)を中心に祀っています。そのヒンドゥー教の物語「ラーマーヤナ」の世界が描かれた壁面レリーフが長い回廊に描かれており、これはラーマー王とともに戦ったサルの兵士たちです。ラーマー王はヴィシュヌ神の化身といわれ、妻を奪還するために阿修羅と戦いました。